「感謝日記」の効果は限定的?幸福研究の最新知見
「感謝の気持ちを持ちましょう」「自然と触れ合いましょう」——こんなアドバイスを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、カリフォルニア大学の最新研究では、これらの方法の効果が想定外に限定的だ?!そんな残念な結果がわかってきたのです。
今回の記事ではその潜在的な心理を探り、幸福感の本質に迫ってみたいと思います。
感謝介入研究の意外な結果
- 効果が持続するのは6ヶ月以内が大半
- 約30%の人にはほとんど効果なし
- 抑うつ傾向が強い人ほど効果が低い
- 文化的背景によって効果に差
自然療法の「20分の法則」とは
スタンフォード大学の研究で、週に120分(1日約20分)自然の中で過ごすと幸福感が向上することが確認されました。
ここまでは普段のライフスタイルからも裏付けできる研究結果だと思うのですが、興味深いのは、それ以上時間を増やしても効果が頭打ちになる点です。
また、「都会の公園でも十分な効果が得られる」と研究者は指摘しています。特別な自然体験ではなく、日常的な緑との触れ合いが重要だということです。
これは、特別な自然空間へお金と時間をかけて幸福感を求めずとも、手の届く、身近な環境にちゃんと用意されているということになりますね。
そして、更には、その空間へ定期的に足を運ぶことが鍵のようです。
「自然の癒し効果は、意識的な『体験』よりも無意識的な『存在』にある」
スタンフォード大学環境心理学研究チーム
日本と欧米で異なる「感謝」の形
感謝という切り口に話を戻してみましょう。
東京大学の比較文化研究では、日本人が「感謝」を感じる場面が欧米人と異なるそうです。
日本人は「当たり前の日常」に感謝を感じる傾向が強いのに対し、欧米人は「特別な出来事」に感謝を感じやすいのです。
この違いは、「感謝の気持ちが幸福感につながる」方法の具体的な内容にも影響してくることになります。
日本の伝統的な「侘び寂び」の感覚を活かしたアプローチの方が、日本人には効果的なのかもしれません。

デジタル時代の新しい幸福戦略
忙しい日々をおくる、ビジネスパーソン達にも対応できそうな、現代のテクノロジーを駆使した幸福感の習得をリサーチしてみると…
スマホアプリを使った感謝トレーニングやVR自然体験など、テクノロジーを活用した新しいアプローチもあるようです。「短時間で効果的」なプログラムを求める方は、ぜひ一度調べてみてください。
実験上でも、たった3分間の「バーチャル森林浴」でストレスホルモンが15%減少する結果が得られており、デジタルとアナログの良いとこ取りでタイパ良く継続できたらいいですよね。
最後に様々な方法の幸福感習得から自分にぴったりなものを選び取るためのステップをまとめています。
自分に合った幸福法を見つける3つのステップ
- 実験する – 2週間試して効果をチェック
- 記録する – 気分の変化を客観視
- 調整する – 自分流にアレンジ
幸福研究が教えてくれる本質
最新科学が明らかにしているのは、「万能の幸福法はない」という当たり前の事実です。大切なのは、他人の成功談を鵜呑みにせず、自分に合った方法を探すこと。
そして、更に言えば、感謝や自然との触れ合いは、あくまできっかけに過ぎません。本当の幸福は、その先にある「自分らしい生き方」を見つける過程にあるのかもしれません。